利益を上げるために安易な値上げはあり?
値上げは立派な戦略。それは解る。
しかし、値上げをするにはそれなりの理由がいる。
更にその値上げする商品が自社商品、唯一無二の商品であれば値上げをいくら行っても、熱心なユーザーはそれを許容する。
しかし、その商品がどこでも購入でき、且つ、現在のようにネットが普及している今、簡単に価格比較が出来る今、値上げを行うことで利益率の向上を図るという戦略がまともに通用するのか?
普通に考えてしない。
それどころか顧客離れをおこし、根本的な売上を落とす可能性が高い。
ユニクロがいい例。ユニクロは好調な売り上げを長年キープしていたので勘違いをしたのだと思う。低価格路線をGUにまかせ、ユニクロを中間路線にシフトしようとしたところ見事にこけた。
ユーザーが求めていたものとユニクロが考えていたことが完全に乖離していた。
はっきり言ってユニクロの代わりなぞいくらでもある。
ユニクロユーザーがGUに流れた可能性もある。皮肉すぎる。
他社と同一商品を販売しながら、他社よりも高く売りたいなら、顧客に対し、それなりの付加価値を与える必要がある。
とある電器店は、大型店が近所に乱立しており、価格は他店より高いが、その地域では一番店になっているらしい。
その理由はきめ細かいサービス。
特にその地域はお年寄りが多いため、高所の電球を変えるのもままならない。
なのでその電器店は、電球一個を買っていただいたユーザーの家にまで訪問し、電球交換までやってくれる。
テレビを買ってもらえたら、テレビの設置、設定、リモコンの使い方まで丁寧に教えてくれる。機械に弱いお年寄りにとってはとてもありがたい。多少高くても、その店で買うメリットは十二分にある。
しかし、値上げは信頼関係、話せばわかるという、「人類みな兄弟」「世界から軍隊がなくなれば世界は平和」なみにメルヘン脳な上司の下につく部下は大変である。
他社と比較されて、「他社は価格が据え置きなのに、何故、御社は値上げになっているのですか?」と聞かれて「信頼関係で値上げしました」なんて言えるか?
私はそんなことを言われたらその取引先に不信を抱き、ここ最近の納入商品の金額を全て調べる。
信頼関係というのは付加価値を与えてこそ生まれるもの。
営業力=人間と人間の関係(これはこれで否定はしないが)だけと言い切る上司には怒りよりも哀れみを感じる。
最近の仕事を想い、衝動的に書いた記事。病んではいない。