定額ビジネスは世の中を変えるのか?
先日、アマゾンが日本でも定額での書籍読み放題サービス。KindleUnlimitedを開始しました。この他、アマゾンは定額でのオーディオブック聴き放題サービスAudibleを展開しています。
その他、定額での動画配信サービスのHulu、U-next、定額音楽配信サービスのApplemusic、LINEMUSIC等々、上げればキリがありません。
このような定額サービスというのは、近年になり爆発的に普及したような印象があります。
スマホの普及が土台を作った。
現在、携帯電話というと殆どの人がスマホのことを思い浮かべると思います。
2015年度の調査によると、スマホ普及率は67.4%となり、スマホ普及率が初めてガラケーを抜いたとの報告があります。個人的には意外と少なくて驚いたのですが、去年から、アマゾンやLINEなどが相次いで定額サービスを広げていった背景には、このようなスマホ普及率の上昇があったのかな?とも思います。
スマホは電話と思われがちですが、正確には電話機能のついた小さなパソコンのようなものです。そしてその使用にはインターネットの接続が前提になっています。
インターネットをより身近に使用できるようになり、これまでは「モノ」を通じて物理的にコンテンツを購入する必要があったのが、直接コンテンツを「受信」することにより、手に入れることができるようになりました。
ガラケーでも音楽をコンテンツとして受信することは可能でしたが、それ以外の動画配信やゲームなどはやはりスマホでなければ対応できず、スマホ普及の拡大はその他の定額サービスを広める上の大きな試金石となったのではないかと思います。
フリー+定額
定額サービスのポイントは、如何に継続使用してもらうかです。
最初が赤字でもユーザーが継続使用してくれれば、自動的に利益は上がります。
モノを提供する場合、モノを製造し、手元に届ける必要がありますが、コンテンツの場合は、配信するだけでOKですので、多少安くても大勢に配信できれば利益は確保できます。そのため、より多くの人たちにコンテンツを提供、継続利用してもらわなければなりません。
そのため、殆どの定額サービスは初月無料を謳い、まずは多くの人にコンテンツの利用を促します。
支払方法もより簡潔でシンプル且つスマートにする必要がありますので、無料期間のうちにクレジットカード登録や携帯キャリアへの月々の支払いに合算させておきます。無料期間終了間際に支払登録を促すと、離脱率が増える可能性がありますので、興味の高い初期のうちに決済方法を登録させておくことにより、支払いに対する抵抗感を薄めておくのがポイントかと思います。
先ずは無料で質の良いコンテンツを提供し、集客。その後、高度なコンテンツやサービスは課金を促し利益をとっていくという手法はフリーミアムと言われており、コンテンツビジネスで最も力を発揮する手法の一つではないかと思います。
モノ販売のリアルビジネスでも使えそうな定額ビジネス
例えば、貴方が抱える顧客が100件あったとします。
100件は毎月、それぞれ10万円程度の取引をしているとしていますが、個別商品の価格競争や納品スピード、その他サービスの質で、他社と競合しています。顧客を囲い込むためも、また、確実に一定の数字を確保するためにも、一つの案として、顧客に対し、毎月定額で1万円の課金をお願いするとします。
1万円の課金をしてくれた顧客には、毎月1万3千円分の商品を月の最初に納品。また、納品時の送料を半額、若しくは無料、納品スピードも無課金の顧客よりも優遇するとすれば、全件は無理でも、きっと多くの顧客が申し込んでくれるかもしれません。仮に40件が申し込んでくれれば、月の頭にまず40万円の売り上げが確保できます。もちろん、1件あたり売上として3000円分、原価として仮に約1000円と、送料負担という不利益は被りますが、そもそもそれぐらいをカバーできないほどの原価率で商売はしていないと思います。
それに、このプランに申し込んだ顧客は、他社に流れることはありません。
そもそも貴方の会社に不満がある顧客は、このプランに申し込むことはないからです。
ある程度今のサービスに満足しているからこそ、プランに申し込むわけですから、このプランに申し込んだ顧客は、更に利益をもたらす顧客に成り得る可能性がありますし、定額プランをうまく活用すれば、個別の商品の価格競争から脱することも可能かもしれません。
定額サービスは大きな可能性がある。
定額サービスは考え方、行動の仕方によっては大きな武器になります。あとは他社が真似の出来にくいアイデアが必要でしょうか。
私も現在の仕事に定額ビジネスを導入しようと考えています。
もし形になったらブログに書きたいと思います。