ごちゃまぜにゅーす

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天皇陛下の生前退位に関して思う。

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天皇陛下が本日、ビデオメッセージを通じて象徴天皇の有り方についての御自身のお気持ちを表明されました。

 

これは御自身の生前退位の御意向を広く国民に周知、理解してもらうために行われたものとのことです。

 

私も本日は15時になったところで車を停め、陛下の約11分の御言葉を拝聴致しました。

 

別に私は思想が右でも左でもありません。ただ、今上天皇は本当に国民のことを想い、常に考えてくださっているということは一国民として伝わるものがあり、あのようなご高齢の身でありながら、毎日分刻みのスケジュールで動いてらっしゃるというのは本当に大変であると思います。私としては多くの問題があるにしろ、陛下には早く退位して頂き、京都御所などでゆっくりと過ごして頂ければと思います。

 

象徴天皇とはなにか?

 

現在、日本国憲法では第一章、第一条から天皇について記載がされています。

 

 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 

この条文を見ると、天皇は日本という国、また日本国民を代表する象徴的な存在であると読めます。そして、そのことは日本国の主権者たる国民の総意により象徴となっていると読めます。

 

つまり、あくまで天皇は日本国民が象徴と認めた存在であり、天皇国家元首であるのか無いのかでは現在でも争いがあります。

 

ちなみに日本国憲法の前に公布されていた大日本帝国憲法では、天皇を元首とし、天皇大権の一つとして、軍隊の統帥権も有していました。しかし、実際には天皇から委託された形で、陸、海軍のそれぞれの参謀たちが軍を動かしていたのですが、戦後までは天皇国家元首として政治的にも強い権利をもつ存在であり、絶対的に神格化された存在でした。

 

しかし、日本が敗戦し、皇室の解体も視野に入れていた連合軍ですが、占領後の日本統治を円滑に進める上で、皇室の力は絶対必要とし、皇室を維持させることにしました。(主にアメリカの意見。ソ連天皇を裁判にかけようとしていた)

 

実際、敗色濃厚だったにも関わらず、大本営が戦争を辞めなかったのは、国体護持(つまり皇室の維持)を連合国側に認めさせるためだったとも言われています。

 

そしてなんとか日本は皇室維持に成功したのですが、実際は前述したように、ソ連などは皇室廃止を求めてきました。アメリカはソ連などを納得させるために、天皇の地位を権力を持たない象徴という、なんとも曖昧な立場に置き、皇室維持に動いたとも言われています。

 

すなわち象徴天皇とは元々、アメリカが他国を納得させるために創り上げた表現であったわけですが、今上天皇は、この象徴天皇という姿を初めてしっかりと体現されていると私は感じています。

 

昭和天皇は、昭和天皇実録でも書いてあるように、戦後もまだ政治や外交に強い関心を持っていたようです。

 

天皇国家元首ではないのか?

 

天皇が日本国元首、君主であるかは前述したように争いがあります。しかし、英語ニュースを見聞きしていると、天皇の呼称はエンペラー。すなわち皇帝を意味する言葉が使われています。それに外国では日本を立憲君主制。すなわち君主、ここでは天皇の権力が憲法により制限された国と認識されていますので、外国では天皇国家元首という見方が一般的です。政府も公式答弁で日本が立憲君主制であると述べていたようなので、天皇は象徴としての存在ではありますが、日本の元首であるとみてもいいと思います。

 

摂政では駄目なのか?

 

第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

 

 

憲法第五条では、摂政について記されており、天皇が病気、幼少などで国事行為を行えない場合、摂政を置き、天皇の名で天皇の国事行為を行うとあります。

 

現在、もし摂政となるとすれば皇太子殿下です。しかし、天皇陛下は今回の御言葉で退位をせず、摂政をおくことで事態の収集を図ることを強く否定されていました。

 

これはある意味、天皇崩御した時のみ、皇位が継承されるという現在の皇室典範に対し、強く変化を求められたのだと思います。

 

今上天皇は、天皇である以上は、象徴天皇としての行為を全力で行いたいとの御意向を強くお持ちのようです。それを摂政という形を用い、国事行為を減らすことを良しとはされなかったようです。

 

今後はどうなる?

 

今上天皇が退位となると、退位された天皇の新しい呼び名やお住まい、元号の設定。皇太子不在の状況をどうするかと問題が山積みですが、個人的には今上天皇には、早く退位していただき、健やかにお静かに毎日をお過ごしして頂きたいと思います。