地震保険と液状化。知っておきたい新基準。
地震保険。加入率が全国でも20%前後と、あまりメジャーではない保険でしたが、今回発生した熊本地震で、保険の注目度は上がっているようです。恐らく今後は保険料の値上げもあると思いますが、備えあれば憂いなし。加入できるなら加入しておいたほうがいいかもしれません。
液状化と地震保険
地震で一番恐ろしいのは、もちろん建物の倒壊です。現に、今回の熊本地震でも、多くの建物が倒壊しました。しかし、倒壊した建物は古い家屋が多く、現在の耐震基準で設計されていた家屋は、損壊こそうけたものの、殆どが倒壊を免れていたようです。
しかし、どんなに家屋が頑丈でも、建物の基礎部分。つまり地盤がズレてしまってはどうしようもありません。特に液状化現象で地盤沈下を起こした場合、建物は大きく傾いてしまいます。傾いた建物を修理するには、数百万円単位のお金が必要です。液状化により被害を受けた場合、通常の地震保険の基準とは違った基準で査定されます。自分の住んでいる土地は液状化しない。と思っていても、油断は禁物です。実際に私の居住地域も、液状化するとは誰も思っていなかったわけですから。
地震保険の査定表
こちらは「地震保険の教科書」さんのサイトから抜粋させて頂いた地震保険の査定表です。ちょっと解りづらいですよね。
実際に地震で被害を受け、保険を申請する場合、基本自己申告ではなく、保険会社から派遣されてくる保険鑑定人の方が、目視にて被害の状況を確認し、計算式に当てはめて損害率を算出、判定します。なので、鑑定人の方によっては一部損になったり半損になったりとする場合もあるようです。そうなってくると、もらえる金額が大幅に変わってきますので、自分でもしっかりと基準を理解しておく必要がありますが、正直、上記の基準では解りづらいですよね・・・。なので、不服がある時はしっかりと意見するのも大事かもしれません。
液状化と新基準
2011年。東日本大震災が発生。この時も、多くの家屋が被害を受けたのですが、特に液状化の被害が多く発生していたようです。しかし、当時は液状化という現象自体が、まだそこまで認知されておらず、液状化で被害を受けた家屋も、上記の基準に照らし合わせて保険金額が確定していたようです。上記の基準に照らし合わせた場合、建物の傾斜は3°以上なければ、全損扱いにならなかったようです。2°近く傾斜していても、一部損扱いで済まされた被災者も多くいたらしく、実際の被害と保険のバランスが大きく崩れていました。そのため、この震災を機に、液状化での被害の場合には新基準が適用されることになりました。ちなみに、この新基準は東日本大震災の被災者にも遡及して適用されたようです。よかったですね。
こちらも「地震保険の教科書」さんからお借りしました。非常に解りやすいですね。
この表にのっている、「傾斜」、「沈下」。どちらか酷い方が適用されますので、両方の基準を満たす必要はありません。我が家は1°以上の傾きが確認されたので、全損扱いになりましたが、当初は「一部損からなんとか半損に持っていきます」と説明されたので、慌ててこの基準を持ち出し、抗議しました。黙っていれば、そのまま書類にサインさせられる可能性もありましたので、ある程度はこちらも理論武装しておく必要があるかもしれません。
まとめ
日本は地震大国ですので、加入できるならば、地震保険に加入しておいた方が安心かもしれません。我が家は、保険のおかげで2重ローンは回避できそうです。また、自分の地域が液状化しやすいかどうかも調べられるなら調べた方がいいと思います。特に近くに河川がある地域などは要注意だと思います。
また、多少は保険の知識は入れておいた方がいいと思います。全てを他人に委ねていては、取れるものも取れなくなってしまいます。